製作が容易な高性能光通信用レーザの研究


高性能・低価格な半導体レーザを実現するには,小型化,低電流動作,単純な製作プロセスが必要になる.本研究では深い回折格子によって光を強く反射し, 大幅な微小化,低電流動作を可能にする垂直多重反射鏡レ−ザを提案している.理論的には100マイクロアンペア以下の微弱電流で動作し, しかも電子ビーム描画,反応性イオンビームエッチングという半導体プロセスの単純な組み合わせで製作できる.

これまでの研究で初期的なプロセス条件が確立し,この反射鏡の有効性を実証できた.最近,古河電工,NTT,カリフォルニア工科大,ミシガン大,グラスゴー大,東工大など国内外の機関が研究を開始.光検出器との一体化など,集積素子として新しい展開を見せている.本研究室では,現在,FDTD数値計算法を用いて,製作条件を簡単にする新しい設計を検討している.

左はICPエッチング法によって製作された半導体線幅0.3ミクロンの3次回折格子垂直多重反射鏡.右はFDTD法によって計算されるパルス光の反射の様子.上下はそれぞれ回折格子なし,ありのとき.


19941995年度浜崎,渡辺,パス,1996年度羽生,多胡,1998年度〜 有賀, 関戸, 川津