アラカルト (学生向け情報)


 

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博士課程後期への進学の勧め

 


教育ポリシー

 [オリジナリティーの探究]  授業の習慣(既存学問の習得,受け身の教育)からいち早く脱け出し,それを利用しながらも,誰もやっていないオリジナルな研究(能動的な勉強から創造への発展)に取り組む思考転換をはかります.研究では他人の情報を可能な限り参考にします(参考にしたことは正直に言わなければなりません).ただし最終的には,他人の情報を超えるどのようなオリジナリティーを生み出したかが問われます.自分の研究のどこに本当のオリジナリティーがあるか常に理解している必要があります.またオリジナリティーを生み出すには,自分の個性がどこにあるのかを知っておく必要もあります.優れたアイデア,真似できない観察力・直感力,緻密な調査・実験・考察,効率を上げる多角的な予測・読み,失敗してもめげない粘り・執念,大量の研究をこなす体力・スピード,他人を身方にするパーソナリティーなど,研究を通じて自己発見して下さい.それが将来にわたる自分の道標になります.

[研究サイクルの習慣化]  目標を決めて仮説を立て,研究を実施,結果の分析から仮説について考察,次の研究の立案,という一連のサイクルを身につける練習をしましょう.それには,研究を定期的にまとめて報告することが役立ちます.研究サイクルの内容を優れたスライドや文章として報告するスキルは一生涯重要になります.また一般に,それが優れてくると研究自体も優れてきます.

[発表や報告]  スライドソフトや文章ソフトの扱い方が身についた後でも発表資料や報告資料の作成に時間がかかるのは,作成する段になって内容を考えているからです.これは目標,仮説,実施,考察などを手順通りやっていなかったためです.手順通り行っていれば作成自体はすぐに終わるはずです.また,他人から教育を受けたこと,自ら調べたこと,自ら作業したこと,自考えたことそれぞれそのように素直に書くことが大事です.素直に書けば素早く終わります.ただしそれぞれの文章の中でも,自分がどう感じ,解釈し,意見をもったかを常に文章の中に盛り込むことは,自分の自主性を育み,研究の主体性を強くします.それが次の自分の研究の向上につながります.

[“すぐやる”の実践]  やるべきことがあるのに,なかなか動かない人がいます.素早い人は1分後に行動をスタートさせ,その日のうちに何かアウトプットを得るのに,遅い人は1週間後にスタートするか,あるいは次に議論するまで何もしないパターンに陥ります.じっくり考えてからとか,周辺の状況が整わないからとか,言い訳を聞きますが,多くの場合,最初の一歩を踏み出す勇気がないように見えます.よほど多額のお金がかかるか,失敗が許されない目標でない限り,1分以内に始めるフットワークの軽さを身につけましょう.始めると大抵は問題にぶつかり,何をやるべきか全体の理解が深まり,次への行動へのきっかけが得られます.こうして行動がスピーディーに循環していきます.

[意見交換の習慣化]  他人の意見をもらって新発想を得るきっかけにしたり,自分の考えや方針の問題を発見して軌道修正をはかったりします.また他人にも質問と意見を繰り返すことで,他人だけでなく自分に対しても同様の批判精神を養い,自分の立ち位置を客観的に見られるようにします.多くの研究では優れたアイデアが重要ですが,それを得ようと力んでも容易には得られません.そのため,クリエーターはそれを得るための工夫を色々考えます.勤勉さは当然必要ですが,既存情報を仕入れすぎると,自分に活動の余地がないように感じられて閉塞状況になりがちです.異なる考えをもつ者との意見交換や異なる文化・分野の吸収はしばしば突破口になるので,大学でも企業でも常に重視されています.

[分野の垣根の撤廃]  上の議論と関わることですが,「自分は**分野の人間」とか,「自分には**は向かない」と断じると,どうしても世間を狭めます.他人が思い付かない独創性は「何でもやる」,「何でも面白い」という自由な発想や好奇心から出てきます.本研究室でも「何でもやる」の姿勢で,光学,半導体,量子物理,コンピューティング,プログラミング,バイオ,マイクロマシーンなど,広い分野を勉強し,専門に生かしています.

[世界的な研究を体験]  世界との関わりが実感できるような先端研究を学生に体験してもらうことを目指しています.ちなみに2009年内閣府が総額1000億円を投じる「最先端研究開発支援プログラム」を以下の30テーマに決定しました(各30億円規模).光関連分野は赤字で示されています.このうち,本研究室はフォトニックデバイスのプロジェクトに参画しました.2012年からはこのプログラムをさらに大型化(300億円規模)した経済産業省未来開拓プロジェクトが発足し,新しい産業創出に向けて活動が加速しています.さらに2016年度からは科学技術振興機構が支出する大型プロジェクトACCEL(総額15億円)を,本研究室を中心として受託し,光レーダー(3次元イメージセンサ)の研究を開始しました.これらの先端研究に興味がある学生はぜひ本研究室に参加してください.

電子情報系

数学・物理・化学系

医薬系

電気(パワーエレクトロニクス)

数学(複雑系)

薬学(ゲノム創薬)

電気(ロボットスーツ)

宇宙(小型衛星)

生命(免疫機構)

磁気(スピントロニクス)

宇宙(ダークエネルギー)

生命(細胞,臓器)

電子(ナノエレクトロニクス)

物理(原子物理)

生命(iPS細胞)

電子(マイクロマシーン)

物性(強相関系)

生命(脳,神経)

光(量子情報)

材料(鉄系超伝導)

医療(脳,神経)

光(ディスプレイ)

電池(有機太陽電池)

医療(癌診断)

光(フォトニックデバイス)

電池(次世代電池)

医療(癌治療)

光(プラスチックデバイス)

環境(水資源)

医療(心臓治療)

情報(データベース)

分析(質量分析器)

 

 

分析(バイオ分析)

 

輪講会での本の講読

名著と呼ばれる本を詳細に読むことは, 深い教養を身につけ新しいアイデアを創造する上でとてもためになります. また難解と言われる本にみんなで挑戦することで,どのような本や論文にもバリヤーを感じずに挑戦できる勇気が身に付きます.さらに自分の分野以外の本をいろいろと勉強することで,境界分野や新分野への展開も可能になります.本研究室では,現在行っている研究に関連した洋書,または研究に直接は関連しない 和書を年間13冊のペースで全員で講読しています. 光関連技術のほか,計算や信号処理,プログラミング,バイオ,無線技術など,採り上げる話題は様々です.


1993年 Quantum Mechanics (L.I.Schiff)

1994年 Semiconductor Lasers (G.P.Agrawal, N.K.Dutta)

1995年 Sensor Technology and Devices (L.Ristic)ニューロコンピュータ (中野・飯沼編)

1996年 Photonic Crystals (J.D.Joannopoulos, R.D.Meade, J.N.Winn)Wave Physics (S.Nettel)ニューラルコンピュータ(合原)

1997年 Fundamentals of Photonics (B.E.A.Saleh, M.C.Teich)ニューラルネットワークLSI(岩田・雨宮),人工生命の方法(上田・下原・井庭)

1998年 Fundamentals of Photonics (B.E.A.Saleh, M.C.Teich) 継続,カオス入門 (長島・馬場),分子線エピタキシー (権田編)

1999年 Fundamentals of Photonics (B.E.A.Saleh, M.C.Teich) 継続,遺伝的アルゴリズム(北野),量子コンピュータ入門(西野)

2000年 Fundamentals of Photonics (B.E.A.Saleh, M.C.Teich) 継続,ジェネティックアルゴリズム(阿久比, 長尾),量子コンピュータの基礎数理(上坂)

2001年 Crystallography (W. Borchardt-Ott) Optical Properties of Photonic Crystals (K. Sakoda)光集積デバイス(小林)

2002年 Diode Lasers and Photonic Integrated Circuits (L. A. Coldren, S. W. Corzine),電気物性学 (酒井, 山中)

2003年 Optics  (E. Hecht)

2004年 Optics (E. Hecht) 継続,VHDLによるディジタル回路入門(並木, 長井)

2005年 Nonlinear Optics (D. L. Mills)

2006年 Microfluidics and BioMEMS Applications (F. E.H. Tay, Ed.)

2007年 Optical Interconnects, The Silicon Approach (L. Pavesi, G. Guillot, Eds.)

2008年 Fundamentals of Photonics 2nd Ed. (B.E.A.Saleh, M.C.Teich)

2009年 Introduction to Biophotonics (P. N. Prasad),量子コンピュータの基礎 (細谷)

2010年 Introduction to Biophotonics (P. N. Prasad) 継続,CMOS集積回路の設計・製造と信頼性技術(大山ほか)

 

2011年 Biomedical Photonics Handbook (T. Vo-Dinh, Ed.)

2012年 Fundamentals of Microfabrication and Nanotechnology (M. J. Madou)はじめて学ぶディジタルフィルタと高速フーリエ変換 (三上)

2013年 Optical Fiber Communications Systems (L. N. Binh)よくわかる信号処理(浜田)

2014年 Broadband Optical Modulators: Science, Technology and Applications (A. Chen, E. Murphy)光触媒のしくみがわかる本(大谷)

2015年 (著書購読を休止.学術論文講読に集中)

2016年 レーダー技術(吉田),(英語については学術論文講読に集中)

2017年 (著書購読を休止.学術論文講読に集中)

2018年 Nanoinfomatics (I. Tanaka),ゼロから作るDeep Learning: Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装(斉藤)

2019年 スピン流とトポロジカル絶縁体(齋藤,村上),完全独習ベイズ統計学入門(小島),量子アニーリングの基礎(西森,大関)(英語著書購読を休止.学術論文講読は継続)

報告書作成,プレゼンテーションの指導

研究仲間への日頃の研究報告も大切ですが,学会や国際会議,省庁や助成団体,メディアなどへ魅力的な報告を出し続けることはとても大切で,将来,就職後もその人の評価を左右します.以前は,企業内でも若手社員の教育が行われてきましたが,昨今の企業は即戦力として社員を使う色彩が濃くなり,なかなか学ぶ場が得られません.実験レポートで苦労する学生は多いと思いますが,大学に居る間に報告書作成能力を着実に身につけたか否かは,その人の未来を左右する重大事となります.工学者の報告はデータの緻密さと客観的な分析が大切です.また近年,それ以上に関連研究者,社会一般の人々へのインパクトの大きさが重要視されるようになり,プレゼンと同様に研究内容の鮮やかな表現法が欠かせなくなっています.本研究室では,日頃の報告資料,学位論文,学会資料の作成を通じて,工学者として恥ずかしくない報告書づくりの基本,魅力的な表現のノウハウを指導します.これが最終的に論文執筆の能力になっていきます.

最近,国立大学の社会貢献度をきちんとチェックすべき,という意見が聞かれるようになり,教員,学生共に頻繁に成果を発表することが要求されるようになってきました.日本人は昔からプレゼンが下手,と言われてきましたが,昨今,そんなことは言っていられません.プレゼンの得意・不得意が人の将来,損得に大きく絡むようになっています.本研究室では,研究報告会や中間・期末発表会を通じて単純・明快・魅力的なプレゼンを行う技術を指導します.またその成果を学会・国際会議発表といった華やかな場で試します.

  昔はこんなOHPを使っていた

特許出願の指導

特許,実用新案,著作権,意匠権といった知的財産は企業が自らの製品の権利を守るために作られた国際的な制度ですが,近年は発明のアイデアを保護する意味で,大学でも積極的に申請することが推奨されています.申請は学術論文などに比べて簡単です.しかし真の意味でのオリジナリティはどこにあるのかを特許庁が精密にチェックし,場合によっては拒絶査定が下されます.最終的には裁判で争うことがあるほどなので,実際に登録されるまでのハードルは論文と同じくらい高いです.

本研究室ではこれまでに外国出願も含めて64件の特許を出願し,審査中や取り下げのものを除いて35件が登録され,うち1件は企業に技術移転されました(本学発明賞第一号を受賞しました).特許出願は,その権利確保だけでなく,常にオリジナルなアイデアを意識し,それを生み出すのに役立ちます.本研究室ではその考え方,出願の仕方などを指導します.



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